完成図
完成図
まず始めからぶち壊しますが、野外写生で油彩など使うべきではないです。印象派画家に憧れがあったこと、筆の早さに自信があったことが、油彩を選ばせました。ちなみに30分程度で制作しています。
さて、野外写生での制作ですが、早く描くことが前提です。描こうと思えば、2〜3時間位は問題ないでしょう。しかし、せっかく現地にいるのならたくさん描くべきです。
早く描くためには、始めから仕上げに入ることです。1枚目の空を見て下さい。青い空はすでに完成です。あたりの段階で一番遠い部分(この場合は空)を仕上げてしまいましょう。
油ですが、スタートから濃いものを使います。何層も塗り重ねる訳ではないので、最初から最後まで調合油(ペインティングオイルなど)の原液でOK。
そうこうしている間に雲も完成です。
手前も平行して描いていますが、あくまでも遠いところを仕上げていきます。
色彩遠近法という言葉がありますが、青は遠く見えます。特に風景画は空が青いため、コントラストを下げて遠く見せるには空に近い青を使うことが有効です。
山を描きあげながら雲を調整して、上半分はほぼ完成です。遠いところはぼかしを多用して描いています。
近めの山と街に距離を出すために、近い山も青っぽく変更しています。
街に色彩を入れて、森も描き込んでいます。筆をつけたらその部分は完成という勢いです。
緑も「遠いところは青っぽく、近いところは黄色っぽく」を意識しましょう。
手前の草を描き込んで、全体を調整したら完成です。
野外写生はスピード命。絵具が固まるのは家に帰ってからで良いので、速乾剤を使用する必要もありません。※速乾剤は便利ですが、確実に絵具がもろくなると知っておきましょう。仕上げだけに使ったりすると2〜3日で崩壊することもあります。
●最後に
写生するのはなぜでしょう?形は写真の方が正しく記録してくれます。家に持ち帰って、ゆっくり描いたほうが良いということになります。せっかく絵具を持ち出して描くのですから、現地でしか味わえない空気と色を描きましょう。そして1枚でも多く描いて、楽しみましょう。
旅を楽しみ、絵を楽しむことが写生の魅力ではないでしょうか?